『死刑にいたる病』ネタバレ解説|結末・原作との違い

阿部サダヲさんと岡田健史さんのダブル主演で話題を集めた映画『死刑にいたる病』。「実は結末がどうなるのか気になって検索した」という方も多いのではないでしょうか。この記事では、あらすじからラストの真相、タイトルに込められた意味、原作小説との違い、そして配信されている動画配信サービスまで、ネタバレありでまとめて解説していきます。

これから紹介する内容には、映画の結末に関わる重大なネタバレが含まれます。まだ観ていない方はご注意ください。

📌 結論(2026年7月時点)
  • 『死刑にいたる病』のラストは、雅也が榛村と決別して日常に戻ったように見えつつ、恋人・加納灯里も榛村に洗脳されていたことが示唆される不穏な結末です
  • 「死刑にいたる病」というタイトルは、榛村大和という存在そのものが人から人へ感染していく”病”であることを表しています
  • 原作小説とはラストの描き方が異なり、映画オリジナルの改変によって結末の不穏さがより強調されています
  • 本編はU-NEXT・Netflix・Amazon Prime Video・DMM TVで見放題配信中です(2026年7月編集部調べ)
目次

『死刑にいたる病』とは

『死刑にいたる病』は、櫛木理宇さんの同名ミステリーサスペンス小説を原作とする2022年公開の映画です。監督は「凶悪」「孤狼の血」の白石和彌さん、脚本は「そこのみにて光輝く」の高田亮さんが手がけています。24人の高校生を殺害し死刑判決を受けた連続殺人犯・榛村大和と、彼にかつて心を許していた大学生・筧井雅也の間で繰り広げられる、心理戦のようなサイコサスペンスです。

公開日2022年5月6日
監督白石和彌
脚本高田亮
原作櫛木理宇『死刑にいたる病』(ハヤカワ文庫JA)
レイティングPG12
配給クロックワークス

キャストは、連続殺人犯・榛村大和役に阿部サダヲさん、大学生・筧井雅也役に岡田健史さん。ほかに、雅也の恋人となる加納灯里役を宮﨑優さん、目撃者の金山一輝役を岩田剛典さん、雅也の母・筧井衿子役を中山美穂さんが演じています。237館という中規模の公開ながら、公開後6週連続で週末興行収入TOP10入りを果たし、興行収入は10億円を突破。インディペンデント配給の邦画実写作品としては、2022年公開作の中で唯一の10億円超えを記録しました。阿部サダヲさんは、この演技で第46回日本アカデミー賞の優秀主演男優賞を受賞しています。

タイトルがよく似た小説に『殺戮にいたる病』(我孫子武丸)がありますが、こちらは別の作品です。『殺戮にいたる病』は映画化・ドラマ化がされていないため、動画配信サービスでは視聴できません。混同しないよう気をつけてくださいね。

【ネタバレ】『死刑にいたる病』のあらすじ

理想とはほど遠い大学に通い、鬱屈とした日々を送る雅也。教育者一家の一人息子でありながら有名大学の受験に失敗し、家族から疎まれる存在になっていました。そんな雅也にとって、中学生時代に塾の帰りに通っていたベーカリーの店主・榛村大和と交わした会話だけが、唯一の温かい思い出だったのです。

ところがある日、その榛村が24件もの殺人容疑で逮捕され、死刑判決を受けた稀代の連続殺人鬼だったことが発覚します。優しかったパン屋の店主が、実は高校生ばかりを狙って残虐に殺害していた──雅也は大きな衝撃を受けますが、そんな折、拘置所の榛村から面会を求める手紙が届きます。

榛村は自らの罪をほとんど認めていましたが、「最後の1件だけは冤罪だ」と主張し、真犯人を見つけてほしいと雅也に依頼します。榛村が有罪となった事件のうち、被害者・根津かおる(26歳)の事件だけは、ほかの被害者より年齢が高く、遺体を隠さず放置するなど犯行の手口が明らかに異なっていました。担当弁護士の事務所でアルバイトという立場を得た雅也は、裁判資料を読み込みながら独自に調査を始めます。

調査を進めるうちに、雅也は榛村が子供の頃に親から虐待を受け、支援者の女性の養子になっていたこと、そして自分の母親も同じ女性の養子であり、かつて榛村と親しい関係にあったことを知ります。「榛村は自分の本当の父親ではないか」と疑うようになる雅也。榛村もその疑念を明確には否定しません。殺人鬼の息子かもしれないという事実に、雅也はむしろ奇妙な強さを感じるようになり、絡んできた会社員を半殺しにするほど攻撃的になる一方、中学の同級生で大学で再会した加納灯里と交際を始めます。

根津かおる事件で榛村が有罪となった決め手は、犯行現場付近で榛村を目撃したという証人の存在でした。目撃者の金山一輝は、10歳の頃から榛村に「友達」として取り込まれ、大人になった今も彼に逆らえない精神的に不安定な男です。雅也が根津かおるの殺害現場で金山と出くわすと、金山は「僕が殺した」とつぶやくのでした。

【ネタバレ】ラスト・結末の意味を解説

榛村大和がすべてを仕組んでいた

榛村と面会を重ね、真相にたどり着く雅也。榛村は好みの子供を「遊び友達」として近づけ、精神的に支配しながら、いずれ苦しめて殺す「獲物候補」として育てていました。自身の逮捕が近いと悟った榛村は、獲物候補の一人だった根津かおるを最後のターゲットに選び、精神的に不安定な金山に手を下させることで、彼を罪の意識で苦しめようとしたのです。同時に、冤罪を訴えて雅也に調査を依頼したのも、二つ返事で奔走する雅也を思い通りに操って楽しむための仕込みでした。

すべてを見抜いた雅也は、自分自身も榛村の”洗脳”にすっかり染まっていたこと、そして榛村を喜ばせるためだけに動いていたことに気づきます。そんな雅也に対して、榛村は最後に「自分は父親ではない」と告げるのでした。

恋人・加納灯里の正体

榛村と決別し、ようやく学生生活に戻っていく雅也。しかし物語の最後で、恋人となった加納灯里もかつて榛村のベーカリーに通っており、雅也へのアプローチの仕方まで榛村に相談していたことをぽつりと明かします。榛村がいなくなったあとも、彼の影響を受けた人間は日常のすぐそばに残り続けている──この一言が、観客に強烈な後味の悪さを残すラストになっています。

『死刑にいたる病』というタイトルの意味

「死刑にいたる病」というタイトルは、デンマークの哲学者キルケゴールの言葉「絶望とは死にいたる病である」に由来しています。原作小説の冒頭にはこの言葉と、寺山修司の戯曲「疫病流行記」の台詞「あたしはあなたの病気です」が引用されており、作品全体を貫くモチーフになっています。

ここでいう「病」とは、単に榛村が抱える異常な殺人衝動を指すだけではありません。榛村大和という人間そのものが、まるでウイルスのように人から人へ感染していく”病気”であり、彼と関わった人間は誰もが少しずつ狂気に取り込まれ、後戻りできない場所へと引きずり込まれていく──そんな含意が込められているのです。雅也や金山、そして灯里が次々と榛村の影響から逃れられなくなっていく展開は、まさにこの「感染」を体現していると言えるのではないでしょうか。

原作小説と映画のラストの違い

『死刑にいたる病』は原作小説と映画で、基本的なストーリーの骨格は共通しています。ただし、ラストの描き方には明確な違いがあります。

原作小説では、灯里が榛村に「雅也へのアプローチの仕方」を相談していたことが示される程度の、比較的抑えた終わり方になっています。一方、映画版のラストはより直接的で衝撃度の高い改変が加えられており、灯里が雅也に対して踏み込んだ問いかけをする場面で幕を閉じます。この映画オリジナルの改変によって、「榛村という病はまだ終わっていない」という余韻がより強く残る結末になっているのが特徴です。

原作を先に読んでから映画を観ると、「あの人物の扱いがこう変わっているのか」という発見があって面白いですよ。逆に映画から入った方は、原作を読むことでラストの解釈がさらに深まるはずです。

『死刑にいたる病』を配信中の動画配信サービス

2026年7月時点で、『死刑にいたる病』は複数の動画配信サービスで視聴可能です。見放題配信・レンタル配信の状況を編集部でまとめました。

スクロールできます
配信サービス配信状況月額料金(税込)
U-NEXT 見放題 2,189円〜
Netflix 見放題 890円〜
Amazon Prime Video 見放題 600円〜
DMM TV 見放題 550円〜
FOD レンタル 550円(単品)

U-NEXTでは2022年10月6日から独占先行配信がスタートし、その後Netflix・Amazon Prime Video・DMM TVなどにも展開されました。見放題配信のサービスであれば、月額料金の中で追加費用なく視聴できます。U-NEXTは31日間の無料体験があるので、初めての方は実質無料で本編をチェックできますよ。

Amazon Prime Videoは月額600円〜と最も手が届きやすく、30日間の無料体験も用意されています。すでにプライム会員の方なら、追加費用なくすぐに視聴できるのも嬉しいポイントです。

アニメ・エンタメ作品が充実しているDMM TVも見放題配信の対象で、月額550円〜と手頃な料金設定です。14日間の無料体験があるので、まずは気軽に試してみるのもおすすめです。

Netflixは無料体験を実施していないため、視聴するには契約が必要になります。すでにNetflixを契約している方であれば、追加費用なくすぐに視聴できる点は魅力です。

見放題配信での視聴が難しい場合は、FODのレンタル配信(550円)で単品購入することも可能です。

まとめ

『死刑にいたる病』は、連続殺人犯・榛村大和の周到な支配によって、雅也だけでなく周囲の人間までもが少しずつ狂気に染まっていく様子を描いたサイコサスペンスです。ラストで明かされる加納灯里の正体は、「榛村という病」が彼の死刑執行後も消えずに残り続けることを暗示しており、観終わったあとも長く尾を引く後味の悪さが本作最大の魅力とも言えるでしょう。原作小説とあわせて楽しむことで、結末の解釈がより深まるはずです。気になった方は、ぜひ配信サービスで本編をチェックしてみてください。

2026年7月時点の情報です。配信状況・料金は変更になる場合がありますので、視聴前に各サービスの公式サイトで最新情報をご確認ください。

よくある質問

『死刑にいたる病』の結末を一言でいうとどうなりますか?

連続殺人犯・榛村大和による洗脳の全貌が明らかになり、雅也は榛村と決別しますが、ラストで恋人の加納灯里もかつて榛村に影響を受けていたことが示唆され、後味の悪い余韻を残して終わります。

『死刑にいたる病』は原作小説と結末が違いますか?

基本的なストーリーは共通していますが、ラストの描写は異なります。原作は比較的抑えた終わり方である一方、映画版は加納灯里が雅也に踏み込んだ問いかけをする、より衝撃度の高い改変ラストになっています。

『死刑にいたる病』と『殺戮にいたる病』は同じ作品ですか?

別の作品です。『死刑にいたる病』は櫛木理宇さん原作で2022年に映画化されていますが、『殺戮にいたる病』は我孫子武丸さんによる別の小説で、映画化・ドラマ化はされていません。

『死刑にいたる病』はどの動画配信サービスで観られますか?

2026年7月時点で、U-NEXT・Netflix・Amazon Prime Video・DMM TVで見放題配信中です。FODではレンタル配信で視聴できます。

この記事を書いた人

VOD TIMES 編集部のアバター VOD TIMES 編集部 VOD情報メディア「VOD TIMES」編集部

VOD TIMES 編集部は、動画配信サービス(VOD)専門の情報メディアです。
U-NEXT・Netflix・Disney+・Amazon Prime Videoなど主要VODの公式情報と実際の視聴体験にもとづき、料金・作品数・無料期間などを横断比較。「見たい作品をどこで観られるか」「どのVODが自分に合うか」を中立的な視点で解説しています。
掲載情報は公式発表・作品公式サイトを一次情報として確認したうえで、可能な限り最新の状態に保っています。