ジェニファー・ローレンス主演、ダーレン・アロノフスキー監督の映画『マザー!』(英題:mother!)は、2018年1月に日本公開が予定されていましたが、公開直前に中止となりました。「なぜ観られなかったのか」と気になっている方に向けて、公式に発表されている理由と、中止の背景として言われていることを分けて解説します。あわせて、現在どこで視聴できるかも紹介します。
注意: vod.pricey.jpには同じ「マザー」というタイトルの別作品(ドラマ版『Mother(マザー)』)も存在します。この記事で扱うのは、2017年公開の米国映画『マザー!』(ジェニファー・ローレンス主演)です。ドラマ版をお探しの方は以下の記事をご覧ください。

映画『マザー!』が日本で公開中止になった理由
配給元の東和ピクチャーズが発表した公式な理由は、「米パラマウント・ピクチャーズの意向」というものだけです。具体的な理由(内容が原因なのか、興行上の判断なのか等)は、配給元・パラマウントのどちらからも公表されていません。ネット上では観客の評価が大きく割れたことや作品内容の特殊性が要因ではないかと言われていますが、これらはあくまで推測です。
つまり「これが理由です」と断定できる情報は、実は今も公表されていません。次の章で、いつ・どのように中止が発表されたのかという経緯と、中止の背景として語られていることを整理して紹介します。
公開中止の経緯 ― 発表時期と当初の公開予定日
『マザー!』は当初、2018年1月19日(金)に日本で劇場公開される予定でした。ところが公開の約2ヶ月半前にあたる2017年11月1日、配給を担当する東和ピクチャーズから「日本公開中止」が発表されました。
- 同年:第74回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品(海外で先行上映)
- 2017年内:アメリカ・カナダ等で劇場公開
- 2017年11月1日:日本公開中止が発表される
- (当初予定)2018年1月19日:日本での劇場公開予定日
- 2018年4月25日:日本国内でDVD・ブルーレイが発売
劇場公開が中止になった作品が、その後DVD・ブルーレイという形で日本でリリースされるのは珍しいケースです。この点からも、「上映に耐えない内容だから」といった単純な理由ではなく、配給側の何らかの事情が背景にあったと考えるのが自然です。
公開中止の背景として言われていること
繰り返しになりますが、以下はいずれも公式発表ではなく、映画ファンやメディアの間で有力視されている推測です。事実として確認できている「観客の評価」や「作品の内容面」を踏まえたうえで、中止の理由として語られることが多い2つの見方を紹介します。
アメリカでの興行成績・観客評価
『マザー!』はアメリカでの観客からの評価が非常に厳しい作品でした。観客の評価を集計する「シネマスコア」では、最低ランクにあたるF評価を獲得しています。F評価は極めて異例の低評価です。北米公開の初週末興行収入も750万ドルにとどまり、事前の期待を下回る結果でした(製作費は3,000万ドル、世界興行収入は最終的に4,450万ドル)。
一方で、批評家からの評価はそれほど悪くありません。映画レビュー集計サイトRotten Tomatoesでは377件のレビューを基に68%(平均7/10)、Metacriticでは76/100の「概ね好意的」評価を得ています。つまり「批評家は評価しているが、一般観客の反応が大きく割れた」というのが実際の姿で、この評価のギャップが日本公開を慎重にさせた一因ではないか、と見る向きがあります。
作品の内容面での特殊性
『マザー!』は、旧約聖書『創世記』をモチーフにした強い寓意性を持つ作品として知られています。日常的な家庭劇として始まった物語が、後半にかけて宗教的・寓話的な展開へと大きく転換していく構成で、一般的なサスペンス映画とは異なる鑑賞体験を求められます。
こうした内容面での特殊性と、アメリカでの観客評価の低さが重なったことが、日本での配給判断に影響したのではないかというのが、現時点で語られている中では最も有力な見方です。ただし、これもあくまで推測の域を出ないことは重ねてお伝えしておきます。
作品情報 ― 監督・キャスト・あらすじ
| 原題 | mother! |
| 公開年 | 2017年(アメリカ) |
| 監督・脚本 | ダーレン・アロノフスキー |
| 主演 | ジェニファー・ローレンス |
| 共演 | ハビエル・バルデム、エド・ハリス、ミシェル・ファイファー、クリステン・ウィグ、ドーナル・グリーソン |
| 上映時間 | 121分 |
| ジャンル | サイコスリラー/ミステリー |
| 製作国 | アメリカ |
あらすじ: 郊外の一軒家で穏やかに暮らす詩人の夫と若い妻。ある日、見知らぬ男が家を訪ね、夫がこれを招き入れたことから、次々と招かれざる客が訪れるようになります。妻の静かな違和感は次第に恐怖へと変わり、家の中で起きる出来事は制御できないスケールへとエスカレートしていきます(結末に関わる詳しい内容はここでは触れません)。
ベネチア国際映画祭での賛否両論
本作は、第74回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門で上映されました。上映後には拍手とブーイングが入り混じる、賛否がはっきりと分かれる反応となったことが伝えられています。この「評価が真っ二つに割れる」という性質は、その後のアメリカ公開時の観客評価(シネマスコアF)にもそのまま表れる形になりました。
海外(アメリカ)での評価・反応
アメリカでの評価を数字で見ると、この作品の特殊な立ち位置がよくわかります。
| 評価指標 | 結果 |
|---|---|
| CinemaScore(観客評価) | F |
| Rotten Tomatoes(批評家) | 68%(377件・平均7/10) |
| Metacritic | 76/100(概ね好意的) |
| 製作費 | 3,000万ドル |
| 世界興行収入 | 4,450万ドル(北米1,780万ドル) |
| 北米公開初週末興収 | 750万ドル |
批評家評価と観客評価がこれほど大きく乖離した作品は珍しく、公開当時のアメリカでも「賛否両論を巻き起こした問題作」として大きな話題になりました。良くも悪くも「観る人を選ぶ映画」であることは、事実としてはっきりしています。
『マザー!』は今どこで観られる?
劇場公開こそ中止になりましたが、『マザー!』は現在、日本国内の動画配信サービスやDVD・ブルーレイで視聴できます。2026年9月時点で編集部が確認した配信状況は以下の通りです。
| サービス | 配信形態 | 備考 |
|---|---|---|
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見放題 | 月額プランに含まれる形で視聴可能 |
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見放題 | 月額プランに含まれる形で視聴可能 |
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レンタル | 参考価格484円(要事前確認) |
U-NEXTとLeminoでは、月額プランの中に含まれる形(見放題)で視聴できることを編集部で確認しました。U-NEXTは公式サイトで31日間の無料トライアルを実施しており、まだ会員登録をしていない方は、この無料期間内に視聴すれば追加料金はかかりません(トライアル期間中に解約すれば費用は発生しません)。

Amazon Prime Videoについては、編集部が確認した時点ではレンタル(都度課金)での配信情報がありましたが、Prime会員特典の見放題対象には含まれていないようです。配信状況は変動することがあるため、視聴前にアプリ内で最新の料金・配信形態を確認することをおすすめします。Amazon Prime Video自体を試したことがない方は、無料体験の内容を以下でチェックしてみてください。

なお、Netflix・Disney+・Hulu(定額見放題)・dアニメストア・ABEMAプレミアム・FOD・WOWOWオンデマンド・DMM TVについては、2026年9月時点の編集部調査では配信の確認ができませんでした。Huluについては、月額見放題とは別枠の「Huluストア」で個別課金による取り扱いが確認できています。
DVD・ブルーレイでの視聴
配信サービスを使わない場合は、パッケージソフトでの視聴も可能です。『マザー!』のブルーレイ+DVDセットは2018年4月25日に発売されており(発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント、参考価格3,990円・税抜)、現在も新品・中古で購入できます。
あわせて観たい類似作品
『マザー!』の心理的な追い詰められ方や不穏な空気感が好みに合った方には、同じくダーレン・アロノフスキー監督の代表作『ブラック・スワン』もおすすめです。バレエダンサーが精神的に追い詰められていく様子を描いており、監督特有の緊張感のある演出を味わえます。また、日常が少しずつ不穏な儀式めいたものに侵食されていく展開が気に入った方には、カルト的な集団と寓意性を扱った『ミッドサマー』も方向性の近い作品として挙げられます。
よくある質問
- 映画『マザー!』はなぜ日本で公開中止になったのですか?
-
配給元の東和ピクチャーズが公表しているのは「米パラマウント・ピクチャーズの意向」という理由のみで、具体的な事情は公表されていません。アメリカでの観客評価(シネマスコアF)や興行成績、作品内容の特殊性が背景ではないかと言われていますが、いずれも推測です。
- 『マザー!』は日本で公開されなかったのですか?
-
はい、2018年1月19日に予定されていた劇場公開は中止となり、日本では劇場公開されませんでした。ただし2018年4月25日にDVD・ブルーレイが発売されており、現在は動画配信サービスでも視聴できます。
- 『マザー!』は今どこで視聴できますか?
-
2026年9月時点で、U-NEXTとLeminoで見放題配信されていることを編集部で確認しています。Amazon Prime Videoではレンタル配信の情報がありますが、視聴前に最新の配信状況をアプリでご確認ください。DVD・ブルーレイでの視聴も可能です。
- 2010年のドラマ『Mother(マザー)』と同じ作品ですか?
-
いいえ、別の作品です。ドラマ版『Mother(マザー)』とは無関係の、2017年公開の米国映画(ジェニファー・ローレンス主演)です。ドラマ版の内容や配信状況については別記事で紹介しています。


